NETIS新技術登録超音波診断による鋼製柱地際部腐食劣化
スクリーニング工法

標識柱・照明柱・信号柱等の道路付属構造物である鋼管柱は、古い物では昭和40年代に設置され、老朽劣化が大きな問題となっています。また近年においては、地際腐食劣化による倒壊事故が増加しています。

  1. 倒壊事例①2006年11月6日、大阪堺市の府道で信号柱倒壊で男子高校生が打撲などの軽傷を負う。
    犬の尿による腐食が要因とされている。
  2. 倒壊事例②2013年5月、苫小牧中野市の市道で街路灯倒壊事故。
    市が老朽化した街路灯の超音波検査に着手。
  3. 倒壊事例③2015年5月9日、静岡県焼津市で街路灯が折れる事故。
    高さ8mで折れた箇所は地上から2m。
    昭和50年半ばに設置されたもので、内部に腐食が確認されている。

鉄の照明柱、犬の尿で腐食?倒壊して女児大けが 大阪 2016年3月4日

根元から倒れた照明柱=池田市提供

大阪府池田市の公園広場で2月に鉄製の照明柱が腐食して倒れ小学4年の女児が大けがをした問題で、腐食の原因が犬の尿とみられることが、同市の取材で分かった。
照明柱はや高さ約4.5メートル、直径約14センチ。2月11日午後5時ごろに根元部分から折れ、近くにいた女児の手が、倒れた柱の下敷きになった。女児は病院に搬送された。
市は土の分析を民間検査機関に依頼。照明柱の根元の土と約2メートル離れた土の成分を調べたところ、根元の土の方が、尿に関係する「アンモニア態窒素」の含有率が8.6倍多かったという。現場周辺は犬と散歩する人が多く、散歩中の犬が何度も尿をかけたためとみられる。

国土交通省点検等技術基準 平成26年6月
附属物(標識、照明施設等)点検要領・門型標識点検要領
道路標識は、国が定める統一的な基準により、5年に1回の頻度で近接目視により点検を行うこと。
点検、診断の結果等について、記録・保存すること。
統一的な尺度で健全性の診断結果を分類すること。

登録技術

<申請登録技術>
■特許 第5519886号
■埼玉県 県産品新技術登録
(平成27年1月技術登録No-H26 1113)
■NETIS 新技術登録
 NETIS番号:KT-150121-A
 名 称:鋼管柱路面境界部腐食診断装置
     コロージョンドクター
 登録日:2016年2月29日

NETISとは

国土交通省は、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、新技術情報提供システム(New Technology Information System :NETIS)を整備しました。NETISは国土交通省のイントラネット及びインターネットで運用されるデータベースシステムです。

その他

■道路付属物(標識、照明柱等)における地際部点検について

平成28年1月22日国土交通省関東技術事務所   出張特別講座資料抜粋

■スクリーニングに関するニーズ調査

関東地方の地域的特性を有する国道管理者(東京、横浜、千葉、長野、宇都宮)に対してスクリーニング機能に関するニーズ調査を実施

  1. 路面境界部における掘削作業には多大な労力、時間を要するためそれが省略可能なことは魅力的。掘削しても損傷がないケースが大多数を占めている。
  2. 掘削は交通規制が必要であり道路利用者に対する影響が大きい。掘削作業を軽減可能なことは魅力的である。掘削作業において苦情が寄せられることもある。
  3. 損傷がない箇所を掘削することで、水みちを作ってしまうなど、新たに弱点を作ってしまう可能性がある。 スクリーニングにより掘削箇所を最小数に抑えることが可能となる。
  4. 目視点検は点検従事者の能力によりバラツキが発生する。(目視点検の)見落としを防ぐためには有効。
  5. 掘削に伴うアスファルト殻や騒音、振動が発生しないため有効。
    参考資料『道路・橋・道路付属物等の今後の維持管理について』
    国土交通省関東技術事務所 技術情報管理官 今長信浩様

従来の点検方法の問題点

従来の方法では支柱地際部下に発生する錆び、傷、腐食等を確認するためには支柱基部のコンクリート基礎やアスファルトインターロッキング等は全て掘削しなければならない。また、掘削後は支柱基部を復旧させる必要もあり、工程も多く工期がかかり、コスト面でも増加してしまうのが現状です。

従来の点検工法と新技術工法との比較例

対象:設置から20年以上の鋼管柱

  • 従来の
    点検工法

    ●目視により地際部に錆び
    ●舗装面(AC/インターロッキング)
    にクラック・亀裂あり
    全本試掘+復旧(1日3基程度)
    100基点検の場合
    30日以上
  • 新技術による
    点検工法

    コンジョンドクターによる非破壊診断
    試掘(×判定)のみ 路面開削
    1日20基程度の診断可能
    100基点検の場合
    5日+試掘本数分

システム構成

タブレット搭載の一体型装置として操作性・機動性が大幅に向上。(一基あたり 15~20分程度)

測定原理

設計根入れ(基礎端面)部から反射する最大波高値(Bエコー)と路面境界部から反射する最大波高値(Fエコー)を相対比較、倍率(腐食指数)によって、表面上の傷(腐食)の大小を数値化する。

Bエコーとは・・・設計根入れ端部(GL-300~400mm)を指定
Fエコーとは・・・路面境界部(GL-40mm~70mm)を指定

現場検証例- インターロッキング

  • 0°(車道側)
  • 90°(車道側)
  • 180°(歩道側)
  • 270°(歩道側)

現場検証例- コンクリート根巻き

タブレット搭載の一体型装置として操作性・機動性が大幅に向上。(一基あたり 15~20分程度)

  • 90°
  • 180°
  • 270°

現場検証例

幅80mm 上下20mmにわたり腐食中心部をケレンすると、極小孔食発見。